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特集

特集・ヘアケア——増えたユーザーの選択肢

2013年9月9日

インバス堅調続く

 

 “ノンシリコーンブーム”など比較的明るい話題の多いヘアケア市場。特に、2010年のジャパンゲートウェイの「レヴール」発売以降は、同社の伸長だけでなく市場の活性化がもたらされた。しかし経済産業省の出荷統計によると、13年1〜7月の頭髪用化粧品出荷高は、個数98・7%、金額99・8%とほぼ横ばいで、今年に入ってからの伸びは大きいとは言えない。直近の市場傾向と各社の商品施策をまとめた。

 市場は横ばい傾向
 1〜7月の出荷金額は、ボリュームカテゴリーのシャンプーが101・0%、ヘアリンスが99・9%、ヘアトリートメントが98・9%と横ばい傾向を示している。全体に堅調とはいえ、前年を上回っているカテゴリーはシャンプーと染毛料(101・7%)の2つのみである。
 消費者の髪に対する期待度は高まる一方で、ヘアケアに満足していない人の割合は、メーカーによると02年の22%から09年は66%にアップしているという。派手なテレビCMを流すことで売り上げを伸ばせた時代は終わり、その「ブランドの持つ価値」に消費者の興味が移っている。特に東日本大震災以降は「洗浄」という基本機能への関心が高まる一方で「美」などの抽象的な機能へのニーズは低下してきており「より実質的な価値へと原点回帰している」(メーカー)と考えられる。

 アウトバスへの影響
 本紙の調査によると、12年度のノンシリコーンシャンプー/コンディショナーの前年同期比は約120%。市場全体が横ばいなのは、ノンシリコーンの構成比が全体の約15%にとどまっているためだ。
 08年以降、比較的好調だったアウトバストリートメントは11年、12年と伸びが止まってきた。これは、ノンシリコーンヘアケアの浸透との微妙な関係がある。拡大するノンシリコーンシャンプーユーザーの中に「いろいろなものを付けなくても、あるいは付けない方が髪は良くなる」という心理が働き、それが購買に影響したよ
うだ。これを受け、メーカー各社があまり熱心にサポートしなかったという事情もある。

 拡大期待のインバス
 一方で安定しているのは、インバスヘアケアだ。シャンプー、コンディショナーの市場規模は1700億円でほぼ横ばい。インバストリートメントは11年の震災の影響で縮小していたが、その後数量が回復した。インバストータルでは約300億円となっており、単価ダウンの傾向は続くものの、ほぼ前年を維持している。
 価格帯別に見ると、700円以上の高価格帯が伸びている一方、400〜699円の中価格帯、399円以下の普及価格帯が前年を割っており、市場はやや縮小の傾向にある。高価格帯商品の伸長が市場拡大に寄与していない状況は健全ではなく、市場活性化へ向けた働き掛けが重要となってくる。
 インバスブランドの上位ニーズとしては①価格が手頃②安心して使える(情緒価値)③髪と地肌両方に優しい(機能価値)—の3つ。機能価値の重視点は、20代前半まではダメージケアや汚れ落ちで、40代後半になるとダメージケアとエイジングというように、年代によって変わってくる。

 変化見られるプロモーション
 プロモーションは、テレビCM中心からデジタルと店頭に軸足が移ってきている。デジタル関連では、口コミサイトやブランドのフェイスブックページ、キャンペーンバナーなどを有効に使い、より深いコミュニケーションが図られているようだ。
 一方、店頭では、できるだけ新製品を目立つところに陳列する取り組みに注力。手書き風POPツールなど地道でアナログな取り組みで、情緒価値と機能価値を訴え掛けている。
 市場はノンシリコーンブームにより、しばらくは売り上げが拡大していく可能性が強い。ただし、消費者のノンシリコーンに対する知識はまだまだ十分とは言えないのが現実だろう。あるメーカーが調査したところ「髪に良い『ノンシリコーン』という成分が入っているのかと思っていた」ユーザーがいたという。
 いずれにしても、小売店の利益確保に貢献したことと、ユーザーの選択肢が増えたことは間違いない。しばらくは時代の変化に合わせて傾向の微調整を繰り返した上で、メガトレンドになっていくのか一過性のもので終わるのかが注目されている。



 
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