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特集

特集・家庭紙—— 価値ある市場へ品質追求

2013年9月16日

価格の維持、向上へ

 

 円安の影響で食品や日用品などあらゆる分野で値上げが実施されているが、これまで幾度となく価格修正を行ってきた家庭紙でも、適正利益の確保に向けた価格の底上げが図られている。これから迎える秋の需要期や、数量が増え続ける輸入紙の存在などを考えると、価格の現状維持、更にはもう一段の修正をどう行っていくかが市場の動きを左右する大きな鍵となってくる。


 店頭価格は上昇、安定の傾向か
 大手メーカーが先行して行った今年4月からの価格修正は、おおむね浸透してきているという見方が業界内では強い。
 ある調査会社の平均売価データを3月と7月で比較すると、パルプティシュのファーストブランドは270円から292円に、セカンドブランドが202円から222円にと約20円上昇。トイレットペーパーはファーストブランドが380円から392円に、セカンドブランドが297円から317円に上がっている。
 再生紙のトイレットペーパーメーカーも一部4月から修正を実施。198〜278円の間でバラつきはあるが、198円は少なくなり、228円が定着する傾向にある。この秋以降も更なる修正に向けいくつかのメーカーが動き始めている。


 価格上昇は円安による影響大きく
 ここまで価格を上げられたのは、昨今の円安による為替の影響が大きい。特に、原料をほぼ輸入に頼るパルプは「1円円安にふれると、1億から1億5000万円のコスト増になる。製品転嫁せざるを得ないという状況を理解する小売店の姿勢は今までとは違う」(メーカー関係者)というのが一つの要因のようだ。
 また、日本製紙クレシアや大王製紙が工場を閉鎖したことによる減産及び各メーカーによる生産調整も寄与している。在庫をためなかった結果、春先から一部品薄感が発生したものの、過剰在庫による市場価格の乱れにはつながらなかった。


 構成比高める輸入品 ティシュは15%超
 ここで、国内メーカーが意識するのが輸入紙の存在だろう。100円台もまだまだ多い輸入紙は、現在、ティシュの市場構成比を15・6%にまで高めており、伸び率も前年比126・7%と円安の状況ながら高い数字を示している。
 トイレットペーパーの構成比は4・1%とティシュほど高くないが、一昨年の3・2%、昨年の3・8%とじわじわと上がっている。
 輸入品に関してはユニバーサル・ペーパーの扱う箱物やピロー物、また、小売店や卸店が独自に仕入れたものなどがあるが、品質については「以前より数段良くなっている。中国では工場の設備が増強されるなど今後も目が離せない」(メーカー関係者)とその動向を危惧する声もある。
 日本家庭紙工業会では、トイレットペーパーのパッケージに「日本製」のマーク表記を推奨しているが「品質やブランド観で徹底的に差別化を図っていく」(メーカー関係者)ことで市場発展へとつなげようとしている。


 大手3社に見る市場活性化への策
 大手3社の今年の動向を見ると、日本製紙クレシアは「クリネックス」、「スコッティ」の2ブランドで、ディズニーキャラクターのデザインボックスを展開。5箱パックの全てをデザイン品にし、更に2ブランドでターゲット層を分けている。スポットではなく年間を通した定番品としての展開を目指しており、秋には第2弾のデザインを投入している。また同社で「予想以上のヒット」と評しているのが「スコッティファイン洗って使えるペーパータオル」。商品特徴が伝わりづらいキッチンタオルにあって、サンプリングを大々的に行った結果、口コミ効果もあって、大幅な成長率を示している。
 大王製紙は、消臭芳香機能を付けたトイレットペーパー「エリエール消臭プラス」が「売れている商材として小売店からも名前が挙がる」(卸店関係者)と好調。保湿市場で売り上げ枚数トップになった「エリエールプラスウォーター」も品質を改良し、引き続き販促に力を入れる。
 王子ネピアは、ティシュのファーストブランド「ネピアデラックス」を「ネピアプレミアムソフト」に改良。ティシュの多用途化を考え、紙の柔らかさと厚みを増強した。また、ブランド力を高めつつある除菌ウエットティシュ「ウエットントン」に香りを追加するなど、飽和気味の市場にプラスアルファの価値を訴えている。


 価格を崩さず業界資産向上へ
 市場価格が上がったことで、それまでの安値ラインを輸入品やPB、あるいは再生紙などで補おうとする小売店の出現も考えられるが「量を追って値段を崩しては今までの繰り返しになってしまう。来年の消費税増税や導入前の仮需に対応するため、今から適正市場を構築していくことが我々の務めでもある。そのためにはしっかりした品質の物を適正価格で販売し、プラス付加価値品で業界資産を上げていく必要がある」とメーカー関係者は今後に向け声をそろえている。



 
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