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特集

特集・秋冬のスキンケア——付加価値高める多機能商材

2012年10月15日

エイジングケア 着実に成長

 

 低価格帯への製品投入が相次ぎ、化粧水や乳液、美容液などの役割を1アイテムにまとめた多機能商材(オールインワン)の人気が続くスキンケア市場。これに伴い、単価の下落や使用アイテム数の減少が起きている一方で、従来はスペシャルケアアイテムだったシートパックの普段使いやブースター(導入美容液)の台頭もあり、市場全体では堅調に推移している。【大徳明子】


 市場は堅調推移
 経済環境の悪化が顕著となった08年後半以降、消費マインドは急速に冷え込み、スキンケア市場についても、低価格帯への移行が進んだ09年は前年比8・1%減と大きく落ち込んだ。しかし、その後は10年、11年共に09年の市場規模を上回り、12年も前年並みまたは微増すると見られる。
 回復基調にはあるものの、11年の市場規模は08年に比べ352億円も減少している。ライン使いからオールインワンへのスイッチによる使用アイテム数の減少や、中価格帯から低価格帯への移行が大きく影響し「大手メーカーが2000円以下の市場に勝負をかけている」(流通関係者)状況だ。
 それでは“多くの女性が中価格帯の基礎化粧品をライン使いする”という08年以前の状況に、メーカーや流通主導で戻すことを目指すべきなのか。流通関係者は「安くて効果もそこそこ満足できる製品に出会えたお客は、仮に景気が回復しても、元の価格帯には戻らない」と懐疑的だ。メーカーもまた「働く女性が増えているので、オールインワンは割安感だけでなく時短が大きな魅力になっている」と、変化を受け入れて対応していくしかないと考えているようだ。


 注目アイテム続々と
 こうした状況を踏まえ、変化に対応しつつ価値を上げている成功例の一つは、美白やエイジングケアなどの機能を持たせた中価格帯のオールインワンアイテム。「エイジングケアのできるオールインワンカテゴリーはここ2年で60%増」(メーカー広報)という。調査会社の富士経済はオールインワンについて、11年は前年比26・6%増の366億円、12年は同10・1%増の403億円と、成長は続くが伸びは鈍化すると予測。今後もカテゴリーを拡大していくためには、エイジングケアの訴求や医薬部外品の美白効果、UVカットなど実感しやすい効果や機能性で付加価値を高めていくことが不可欠だ。
 更に、後で使うスキンケア製品の肌への浸透を助けるブースター(導入美容液)やシートパックも成長を続けている。「ブースターなら洗顔後まず最初に使えばいいので、日常の手入れにプラスワンアイテムとして取り入れやすい」(メーカー広報)といい、手頃な価格の製品が増えたこともあって、割安感を重視する傾向にあるオールインワンユーザーにも使用者が増加。効果を実感しやすいアイテムであることもリピートを促進している。12年も引き続き好調に推移すると見られ、富士経済は、4・4%増の167億円になると予測する。
 また、パック市場がシュリンクする中でも手軽に使えるシートタイプは好調で、12年は5・8%増の327億円に拡大する見込み。韓国製の安価な製品などが流入して単価の下落も起きているが、シートパックは元々カウンセリングブランドを中心に展開されていたのがセルフブランドの発売が増えて単価が下落し市場が縮小したものの、手頃な価格になったことで使用頻度が増えて再び市場が拡大に転じたという経緯がある。最近人気の50枚入りの大量タイプも、一時的には単価下落を引き起こすかもしれないが“毎日使う”という習慣を広めることが期待される。更に、1枚入りタイプは配合成分や香りなど豊富な品ぞろえで購買意欲をかき立て、高価格帯ブランドのシートパックは、リフトアップ効果を訴求する3D形状のシートで独自性を打ち出すなど、バリエーション豊かな提案でカテゴリーを盛り上げている。


 成長への期待高く
 更に、敏感肌用や自然派化粧品も堅調に推移している。肌の状態を整えるスキンコンディショナーは、セルフブランドの投入が相次いだことで“スキコン”の認知度が高まり、10年比で3・8倍の4億円市場に成長している(メーカー調べ)。自然派化粧品については「日本にもオーガニック化粧品の規格ができれば、理解や納得をして買ってもらいやすくなる」という声が流通関係者、メーカー双方から聞かれ、制度を整えることでユーザーの増加が期待できそうだ。
 また、既に女性の約半数は50歳以上であることや、乾燥対策やたるみ予防を意識する若い女性が増えてユーザー層が拡大していることから、エイジングケアは確実な成長が見込まれる。美容液やオールインワン、シートパックなど、アイテムを問わずエイジングケア機能を持たせられるため様々な製品が投入されており、開発力や提案力が発揮されるカテゴリーとして、回復基調にあるスキンケア市場の今後の成長ドライバーになりそうだ。


 
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