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特集

特集・ヘアケア——多様化する髪や頭皮の悩みに対応

2012年9月24日

ノンシリコーンタイプがブーム

 

 厳しい価格競争にさらされながらも、国内の出荷は比較的安定しているヘアケア市場。経済産業省発表の化粧品出荷統計によると、12年1〜6月の頭髪用化粧品計は個数102・7%、金額99・7%で、ほぼ横ばいとなっている。最近、注目されているのがノンシリコーンを訴求した商品。高価格帯品の動きも良く、小売店の評価も高いようだ。直近の市場傾向と各社の商品施策を取材した。【近藤雅彦】


 トータルでは微減
 化粧品出荷統計の品目別では、ボリュームカテゴリーのシャンプーが金額95・1%、ヘアリンスが同98・3%、ヘアトリートメントが同99・4%と減少傾向だが、ヘアトニック同117・0%、セットローション同112・3%、ヘアスプレー同102・4%といった小さいカテゴリーの頑張りもあって、頭髪用トータルでは微減にとどまっている。
 店頭では「ラックス」(ユニリーバ・ジャパン)や「パンテーン」(P&G)、「ツバキ」(資生堂)、「アジエンス」(花王)といった既存の大型ブランドが、プロモーションの度に上位シェアを入れ替えているが、こういった市場に新しい風を巻き起こしたのが、ノンシリコーンをうたったヘアケアブランドだろう。


 市場活性化に貢献
 本紙の調査によると、シリコーンオイル配合シャンプーの売上高は前年比96・9%である一方、ノンシリコーンシャンプーは同じく174・6%と伸長している。ノンシリコーンシャンプーの構成比は全体の1割にも満たないと見られているが「今はブームと言って良いだろう」(大手メーカー)。ジャパンゲートウェイによると、同社が市場に参入した07年頃のノンシリコーンシャンプーの認知率は1割未満と低かったが、現在は約8割にアップ、利用意向率も6割強と高くなってきているという。
 では、これまでもノンシリコーンシャンプーは市場に存在したのに、なぜ、ここに来て人気が出たのだろうか。「髪や頭皮の悩みが多様化してきており、メーカーはスキンケアと同様に専門性がより特化された商品が求められている」(ノンシリコーン)、「オーガニックなイメージで、髪や頭皮の健康に良さそうだからではないか」(シリコーンオイル配合)とそれぞれ消費者ニーズを分析。「高価格帯なので利益が取りやすい」という小売店サイドの事情もある。
 メーカーでは、ジャパンゲートウェイとアンファーの2社が果たした役割は大きく、大量のテレビCM、複数タレント起用、雑誌広告、店頭展開、取引条件、価格維持施策、イメージ戦略などに関して徹底ぶりがうかがえる。ある大手メーカーは「“ノンシリコーン陣営”の台頭により絶好調とは言えない」と有力ブランドの苦戦を認めている。


 誤解はないだろうか
 そもそもシリコーンオイルに関する注意喚起は「髪に蓄積されてカラーリングやパーマがしにくくなる」というプロの美容師のアドバイスに由来している。その後、情報が一人歩きし、毛穴に詰まる、髪に栄養が入りにくくなる、などとエスカレート。皮膚から浸透して全身に回るなどといったあり得ない現象までが、まことしやかに語られているという。そこで、シリコーンオイル配合製品は恐いというイメージを持つ消費者が出てきた。
 消費者の認識不足という点では、シャンプーではノンシリコーンをうたっていても、多くのコンディショナーやトリートメントにはシリコーンオイルを配合していることを、消費者がどこまで認識しているかは疑問である。もちろんこれらのイメージは、ノンシリコーンメーカーが作り出したわけではない。 しかし話が広がり過ぎた結果、自らの便益を損ねることもあり得る。消費者は安全志向が強く、恐怖訴求に弱い。
 これについて花王は、ホームページで調査の結果を公表している。その中で「シリコーン配合の有無によるパーマ、ヘアカラーの効果の違いは見られず、毛髪への他の成分の浸透を妨げない」と説明。「頭皮に詰まる」という情報に関しては「配合量や残留量、皮脂となじまず髪表面に薄く広がりやすいというシリコーンの性質からも、毛穴に詰まりを起こすとは考えられない」という調査結果を掲載している。


 共存の市場が理想
 「“ノンシリコーン陣営”の伸長も少し踊り場に来ている」(メーカー)という情報もある中で「ヘアケア市場は3年ほどのブームを経てから市場に根付き、本物のトレンドとなるまで多くの時間とマーケティングコストがかかる」と様子見を決め込むメーカーもある。今後は“両陣営”の動きを注視する必要がありそうだ。
 シリコーンオイル配合とノンシリコーン。高単価カテゴリーという新しいベネフィットが提案されて、市場が活性化することは歓迎すべきことだ。
 同時に、健全な成長のためには、正しい商品特長と便益を消費者に伝えていくことが、製配販を通じて求められている。消費者にとって、選択肢は多い方が良い。完全な対立軸ではなく共存の市場が理想だろう。

 
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