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特集

特集・家庭紙——付加価値品の売り方を工夫

2012年9月17日

秋以降も価格の復元目指す

 

 価格修正による市場の立て直しが試みられている家庭紙市場。小売店の低価格路線などもあり、思うような価格を実現できない中、各メーカーは、新たな価値を訴えた商品開発や、価格がワンランク上のファーストブランドの露出を強化している。各メーカーの動向や市況を追った。【太田健一】


 経済産業省が発表した家庭紙市場の1〜6月の前年同期比を見ると、ティシュの数量が104%、金額が93・2%、トイレットペーパーの数量が97・9%、金額が98・1%。昨年は東日本大震災の影響でイレギュラーな状況だったため、一概には言えないが、数量に対して金額の落ち込みが目立っている。
 そんな中、3月に再生紙メーカーが、6月に大手メーカーが15%程度の価格修正を打ち出した。先行した再生紙物は思うような成果が上げられず、パルプ物も目標には達していない、というのが業界の見方だが、ティシュでいえば198円以下の売価は減少し「8月のある週のデータを見ると各社200円台に上がってきている」(メーカー関係者)と平均売価の上昇を確認する声も聞かれている。


 ファーストブランドの露出強化
 これを実現したのは「安くなり過ぎてしまった」(業界関係者)100円台の商品を、いわゆる“裾切り” したことや、メーカーが取引条件の見直しを含め、販売の中心をセカンドブランドからファーストブランドに移行し始めたことなどが要因として挙げられる。
 「セカンドブランドの値上げが難しいなら、ワンランク上の価格のファーストブランドを売っていこうとするメーカーの姿勢は歓迎できる。直接値を上げなくても、売る物を変えていくことで市場の底上げは図られるのではないか」(卸店関係者)と販売の切り口を変えることが市場の再建に有効とする向きも強まっている。
 ただ、トイレットペーパーの再生紙物の価格復元、規格が多様化する大手物の価格安定化は引き続き大きな課題で、ティシュもファーストブランドの露出を図る一方、秋口を前に安値商品が散見され始めており「ファーストブランドの市場構成比は10%を超える程度。圧倒的に構成比の高いセカンドブランドの価格を修正するのが何より重要」(メーカー関係者)という声もある。


 目立ち始めた香り付き商品
 そんな中、キャラクターや香り付き商品で新たな市場を開拓する動きも見られる。特に今年投入が目立っているのが香り付き商品。秋には、大王製紙がティシュ「エリエール香織る+(かおるプラス)」、日清紡ペーパープロダクツがトイレットペーパー「アロマフィール」を発売。春には丸富製紙が再生紙のティシュ、トイレットペーパーで「エイプリルブリーズ」、トイレットペーパー「ラコシア」を発売している。以前から市場には存在する香り付きだが、各メーカーは、洗剤や柔軟仕上げ剤、防虫剤などの分野で香りニーズが完全に浸透していることから「全面的に香りを訴求した商品があってもおかしくない」という判断で本格展開に踏み切ったようだ。
 どの商品も発売後の状況は順調、もしくは商談時での評価が高いようで、特にティシュは、顔に用いることから香り付きは疑問も持たれていたが「想像以上の手応え」(大王製紙担当者)という。


 商品選びに楽しさ与える店頭を
 新たな価値を創造しようという商品は業界にとって歓迎すべきことだが、これらの商品をどう売るかが課題になってくる。家庭紙の店頭は、生活必需品なだけに「置けば売れる」という概念があり「一般の生活雑貨品に比べて売り方を追求する必要はなかった」(卸店関係者)向きがあった。それが市場価格の悪化などもあり、特長ある物を売れるようにする売り方が重視されるようになってきた。前述の香り付き商品も、香りの小瓶を店頭に設置するなどして消費者に足を止めさせ、商品を選ぶ楽しさを与えている。こういったアプローチを促進するためには今後より一層のメーカー、卸、小売店の連携が必要不可欠になってくる。

 
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