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特集

特集・ペットケア——ニーズに対応した製品提供が鍵

2012年7月16日

 人口減、不況などの影響で国内の産業が軒並み縮小傾向にある中、ペット関連市場もその例外ではない。しかし、飼育率よりもはるかに高い飼育意向率を誇るなど、業界の未来は決して暗いものではなく、デンタルケア用品、犬種別フードなど順調に伸びているカテゴリーもある。各社の施策がより重要となっているということも言え、今後の奮起が期待される。
 

 ペットフードは微減で推移

 調査会社の富士経済によると、11年のペット関連市場は3946億円で前年比99%とほぼ横ばいに推移した。市場の17%を占めるペットケア用品が同101・5%と伸長した一方で、73%を占めるペットフードが同99・8%、10%を占める首輪、引紐、ベッドといったペット生活用品が同98%と微減した。
  

 ペットケア用品市場は、各カテゴリーにPB製品が投入されるなどの影響を受けて価格下落の動きが見られるものの、市場規模200億円以上の猫砂とトイレ用シーツが室内飼育の増加を追い風として成長。全体を牽引し、プラス成長となった。また、ペットの高齢化に合わせ、おむつ製品や介護用品なども好調に推移。更には、日常生活で飼い主とペットの接する距離が近付いたため、イヤークリーナー、デンタルケア用品なども小規模ながら拡大している。

 
 微減傾向が続くペットフード市場に目を向けると、特に苦戦したのがドッグフード。売り上げに直接関係するペット頭数が減り、ペットの小型化や商品単価の下落といった要因から縮小傾向が進んでいる。ただ、一方で好調なセグメントも見られる。ペットの高齢化、飼い主の健康管理意識の高まりにより、各社で展開しているシニア向けフードを始め、犬種別や肥満や下部尿路疾患の対策品が市場に登場し、需要の拡大が進んでおり、「ニーズに合わせたものを提供することで市場はまだ伸びていくのでは」(メーカー担当者)という声もある。各社ではそれぞれ競合他社との差別化を図り、アンモニアなどペットの4大悪臭を体内で吸収して排泄することにより、便臭を約80%カットするヤマヒサペットケア事業部の「リモナイトラボ」、アイス状や液状など多岐にわたるバリエーションでの提供が可能ないなばペットフードの「ちゅ〜る」など、特徴的な製品も市場に登場してきている。
 

  なおペット生活用品では、ペットと共に移動する際に使用するキャリーや節電対策として電気を使用せずに暑さをしのぐためのクールマットなどが特需で伸びた一方で、首輪などの犬具は、頭数の減少のため近年縮小が続いている。
 

 伸びるインターネットチャネル

 販売チャネルでは、インターネットにおいて順調に売り上げが伸長しており、ペットフード協会の調査によると、ペットショップチャネルに匹敵する売り上げ規模になってきている。あるメーカー担当者も「ペットフードや猫砂、トイレシーツなどかさが張る製品をインターネットで購入する動きが見られている」と指摘。インターネットのシェアは今後、ますます拡大していくことが予想される。

 
 期待に反し伸び悩む飼育率

 現在の犬の飼育率は17・7%、猫の飼育率は10・3%。団塊の世代が退職し、それを機会にペットを飼育し始めるようになるといった予測がされていたことを考えると、期待されていたほど伸びていない。これから飼いたいという飼育意向率は犬が33・1%、猫が18・7%と双方とも飼育率の2倍近くあるということを見ても、需要を実際の飼育に結びつけられていない。
 

 この要因として、飼育環境が整備されていないことが挙げられる。特に、高齢者が安心してペットを飼い始められるよう、飼い主が亡くなってしまった場合などにペットの受け皿となってくれる施設の整備が求められるところだ。
 

 ペットフード協会では飼育頭数を増やすため、ペット飼育の優れた効果・効用を周知する。「笑顔あふれるペットとの幸せな暮らし」という冊子を作成し、様々な癒やし効果や健康増進効果などを紹介。ペットと共に暮らすことによる年間の医療費削減効果が、ドイツでは7500億円、オーストラリアでは3000億円あるとし、「日本の医療費は現在35兆円で、毎年1兆円ずつ増加していることを考慮すると、ペット産業にもっと注目をしてもらっても良いのではないか」と指摘する。11年のペットの飼育頭数は、犬が1193万6000頭、猫が960万6000頭。この数字を減らさずに、いかに増やしていくか。関連市場の成長については、頭数の増減が鍵を握っている。

 

 

 

 
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